「疲労とは何か?」

これまで「乳酸」が疲労物質であると考えられていた時期がありましたが、現在では乳酸はエネルギーを産生するために再利用されており、むしろ疲労を防ぐ物質であるとも言われています。それでは何が疲労を引き起こすのか?

「活性酸素と酸化ストレス」

私たちは呼吸をして酸素を体に取り入れており、たんぱく質や糖質、脂質などの栄養素を食品から取り入れていますが、栄養素を酸素で酸化させることでエネルギーを生んでいます。酸化は生命活動を維持するうえで必要不可欠なものなのです。しかし、酸素が代謝される過程で「活性酸素」が生成されており、過剰な活性酸素は体内の細胞を傷つけているのです。これが「酸化ストレス」で、現在は「疲労」の原因と考えられています。運動など過剰な活動は活性酸素を多く生み出すために疲労を引き起こしやすくなります。活性酸素はさらにはガンや生活習慣病や老化に非常に関係があるとされています。

「酸化ストレスが疲労の原因ならば、酸化させなければいい?」

現在はそのように言われています。それでは体を酸化させないためにはどうすればいいのか?健康番組などでもお馴染みですが「抗酸化作用」のある食品の摂取です。抗酸化作用のある食品については機会があれば改めて書くこととしますが、抗酸化作用のある野菜などを摂取することで病気の発生も減少させていることは確かなようです。しかし一方で活性酸素は免疫系にも作用しているため、活性酸素が一切なくなればいいというものでもないようです。

「抗酸化物質の豊富な食品を多く摂ることは病気の予防に役立つことを示唆」
「高用量の抗酸化サプリメントによる病気の予防効果は認められません」

しかし、抗酸化サプリメントについては要注意です。厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業による海外の情報「抗酸化物質と健康」では“抗酸化物質の豊富な食品を多く摂ることが病気の予防に役立つことを示唆しています。”、“高用量の抗酸化サプリメントによる病気の予防効果は認められませんでした。”と記載されています。むしろ、条件によっては抗酸化サプリメントが特定の病気の発症リスクを上げる可能性があるとも書かれています。上記のサイトに詳細が載っておりますので興味のある方は一度ご覧下さい。結局のところは抗酸化作用のある野菜も含めて、きちんと食事を摂ることが大事なようです。

「マッサージは疲労回復に有効なのか?」

話が少し逸れました。疲労が酸化ストレスによるものであるのならば、疲労を回復するためにはどうしたらいいのか?日ごろからバランスの取れた食事、適度な運動習慣ならびに十分な睡眠が酸化ストレスを防止するために重要なのです。では、マッサージはどうでしょうか?そもそも、酸化ストレスで細胞が傷つけられると何故疲労するのか?実際のところは、どこまで正しいのかは不明ですが、現在では日中の活動によって発生する活性酸素が疲労因子というタンパク質を増加させ、それが脳の細胞を傷害し我々は疲労を感じるようにできているという見解のようです。身体的、精神的活動を行ったことによって交感神経が活発に働き、その結果脳細胞が酸化によるストレスを受け疲労を感じるのです。睡眠が疲労回復に必要であるのは、交感神経の働きが治まり、今度は疲労回復因子というタンパク質によってストレスを受けた細胞が回復する時間ができるからなのです。ということは、マッサージも副交感神経優位にしてくれるものであるため、脳が受けるストレスを減らすことができるという点でもマッサージは疲労回復に効果的です。当然、血流も改善できるマッサージは障害を受けた体の部位の代謝も上げることができ、身体的にも精神的にも疲労回復に効果的であると言ってよいと思います。